小児ストーマ

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日本の小児オストメイト数は、成人に比べてもともと少ないです。最近では、先天性の疾患や悪性腫瘍・外傷などの外科治療が年々進歩して、排便・排尿のための一時的ストーマをもつこども達の数はさらに少しずつ減少しています。ストーマを作成せずに根治術を実施する方法が開発されてきたからです。一方、長期あるいは半永久的にストーマを必要とする疾患の患児も少なからず存在します。長期間にわたってストーマを有する子どもたちがここでいう小児のオストメイトの中心となります。

医療の中で、小児オストメイトに対するストーマケアはとても重要な領域で、この分野の研究と教育・研修を発展させるために全国規模では日本小児ストーマ・排泄管理研究会が活動し、近畿地方では近畿小児ストーマ・排泄・創傷研究会が活動しております。小児オストメイトの患者会「たんぽぽの会」は、近畿地方の小児オストメイトと長期間の排泄管理を必要とする患児およびそのご家族とで結成されています。今では、近畿地方以外にもこの会のことが口コミで広がり、遠方からのオストメイトたちも加わってきています。春に総会を開き、夏に１泊の合宿を琵琶湖畔で行い、秋には日帰り旅行、冬には近畿小児ストーマ・排泄・創傷研究会と共同して講演会を実施しています。わたくしも研究会やたんぽぽの会の活動に長年にわたって参加してきました。ブ−ケの会員様も夏の合宿などにボランティアとして加わっていただくと、すばらしい交流の場になるものと考えられます。

直腸肛門奇形という幅白い病態の疾患や、広範囲無神経節症やヒルシュスプルング病類縁疾患、骨盤部から出現する横紋筋肉腫や奇形腫群腫瘍などで、直腸肛門や尿管・膀胱・尿道や、膣・子宮に病気を持ってオストメイトとして成育している患児たちにとって、同じような病気を持ちながら大きくなっている先輩や同輩の仲間と話し合えるたんぽぽの会の機会はとても貴重です。とくに、一緒に入浴して互いのストーマを紹介できる機会は深い共感をもたらします。思春期に近づくと、ファッションのこと、異性のこと、からだの変化のこと、学校の勉強のこと、将来の進路のこと、学校での泊まりがけの旅行のこと、などなど先輩の体験談を聞けるのは患児にもご家族にも、たいへんに貴重なものとなっています。

このたんぽぽの会の「卒業生」や「年長組」の女の子たちにとって、ブーケの会の存在は頼もしいものです。大人になって手術によってオストメイトになることを選択された場合と、もの心ついた時にはすでにストーマを持っていた場合とでは、ストーマの受けとめ方に多少の違いがあるものと推測します。しかし、そのような違いを乗り越えて、女性のオストメイトとして彼女たちを受け入れていただきたいと思います。排泄や性は本来デリケートな話題です。お互いを思いやる気持ちが自然にでてくるブーケの会の中で、このデリケートな話題もとり上げていただきたいと思います。






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