ストーマ用語集
【基礎用語】
ストーマ | stoma | 語源はギリシャ語で"口"という意味。人工肛門・人工膀胱。便や尿を排泄するために腹壁に造られた孔のこと。 |
ストーマサイトマーキング | stoma-site marking | 術前にストーマを造設する位置を決定し、皮膚に印を付けること。 |
ストーマリハビリテーション | stoma rehabilitation | ストーマと合併症の障害を克服して自立するだけでなく、ストーマ保有者の心身および社会生活の機能を回復させること。 |
オストメイト | ostomate | 人工肛門や人工膀胱を保有しているなかまという意味。 |
イレオストミー | ileostomy | 回腸人工肛門。小腸(回腸)の部分に造られた便の排泄口。ストーマはおもに右側の腹部に造られる。 |
ウロストミー | urostomy | 人工膀胱の総称。小腸である回腸の一部を使った回腸導管と、尿管を直接皮膚に縫合し造られた尿管皮膚瘻や、腎瘻、膀胱瘻などがある。 |
コロストミー | colostomy | 結腸人工肛門。大腸(結腸)の部分に造られた便の排泄口。ストーマが造られる腸の部位により位置は異なるが、おもに左側の腹部に造られる。 |
ダブルストーマ | double stomas | 消化管ストーマと尿路ストーマの併存状態 |
【装 具】
【ストーマケア】
ストーマケア | stoma care | 狭義にはストーマ周辺のスキンケア、装具の選択などを指すが、広義ではさらにオストメイトの身体全体への指導を意味する。 |
スキンケア | skin Care | ストーマ周囲の皮膚の健康状態を維持しながら、排泄物や粘着材などの刺激物から皮膚を守ることをいう。 |
パッチテスト | patch Test | 装具素材の皮膚障害の有無を調べるためのテスト。貼って一定時間後に起こる皮膚の反応を見て装具の適否を決める。 |
洗腸(せんちょう) | irrigation | ストーマから体温と同じ程度の飲料用ぬるま湯を注入し、大腸を刺激して排便反射を起こし排泄する方法。S状結腸・下行結腸の人工肛門だけに行なうことができる。適応決定は医師が行なう。(※正式には、灌注排便法(かんちゅうはいべんほう)) |
自然排便法 | spontaneous evacuation of stool | 人為的な操作を加えずに、ストーマから排泄する方法。 |
ヘルニア | hernia | 腸が先天的、後天的に生じた孔から腹壁を超えて脱出したもの。 |
ポリープ | polyp | 粘膜の一部がきのこ状にふくれたもの。 |
偽上皮腫性肥厚(ぎじょうひしゅせいひこう) | pseudo‐epitheliomatous hyperplasia <PEH> | ストーマ周囲の皮膚が浸軟(ふやけた状態)を繰り返すなどし、慢性炎症により生じる皮膚過形成。尿路ストーマに起きやすい。 |
接触性皮膚炎 | contact dermatitis | 刺激物との接触で起こる皮膚炎で、一次刺激性のものとアレルギー性のものがある。 |
【サポート】
ETナース | enterostomal therapy nurse | ストーマ療法士。ストーマケア・失禁ケア・創傷ケアなどを専門に行なう看護師。WCET認定のET養成校を修了した者。 |
皮膚・排泄ケア認定看護師 | wound ostomy continence nurse | ストーマケア・失禁ケア・創傷ケアなどを専門に行なう看護師。(1996年から日本看護協会が発足させた認定制度に基づいて認定されている。通称:WOC(ウォック)ナース) |
ストーマ外来 | stoma out-patient clinic | ストーマリハビリテーションを専門に行う外来。 |
ケースワーカー | case worker | 社会福祉の専門職員のことで、病気や貧困などの問題を個別に相談し対処する。 |
MSW | medical social worker | 医療ソーシャルワーカー(医療社会福祉士)。主として病気を対象として個別に相談・対処してくれるケースワーカーのこと。 |
オストミービジター | ostomy visitor | すでにストーマを持って社会復帰したオストメイトが、後輩のオストメイトに対して、その経験を通し知識を提供し支援する人のこと。 |
ピアカウンセリング | peer counseling | 先輩障害者が後輩障害者を自己習得範囲での有効経験を伝授して、後輩の立ち直りを促し生活の方途を示唆するカウンセリング。 |
QOL | quality of life | 生活の質・人生の質・生命の質を重んずる姿勢の言葉で、主に医療や福祉などについて用いられる。ストーマ・リハビリテーションにおいても、単に残存機能を拡大して生活能力を高めるだけでなく、さらに人間らしく生きる、いわゆる生活の質の向上が重視される。 |
社会適応訓練事業 通称:社適(しゃてき) |
training activity for social adaptability | 講習会や研修会などを実施したり、社会生活を営む上で必要な基本的事項について相談に応じながら、オストメイトの社会復帰を促進させるための事業。 |
インフォームド・コンセント | informed consent | ホスピスケアや手術を受けるに当たっても患者の人権が問われるようになり『患者が説明を受ける権利』と『説明に基づく同意』を重視する考えが高まっている。この『説明』と『同意』がインフォームド・コンセントである。 |
セカンド・オピニオン | second opinion | 別の医師の診断、意見 |
IBD | inflammatory bowel disease | 主として消化管に原因不明の炎症をおこす慢性疾患の総称で、潰瘍性大腸炎、クローン病の二疾患からなる。 |
オストメイト対応トイレ | toilets for ostomate | オストメイトが排泄物の処理、ストーマ装具の交換・装着、ストーマ周辺皮膚の清拭・洗浄、衣服・使用済み装具の洗浄・廃棄などができる設備が備わっているトイレ。 |
【団 体】
(社)日本オストミー協会 (JOA) |
Japan Ostomy Association | 2010年3月現在、全国で61支部、会員10,200人で構成。各支部では定期的な講習会の開催、情報交換・体験発表・旅行などを通して親睦を深めている。 |
20/40(にいまるよんまる)フォーカスグループ | 20/40Focus Group | 日本オストミー協会会員のうち若い年代を対象としたグループ。2009年6月に発足。ブログ、メルマガ、交流会などを開催している。 |
国際オストミー協会 (IOA) |
International Ostomy Association | 国際オストミー協会。日本オストミー協会ほか77カ国が加盟している。 |
アジアオストミー協会 (AOA) |
Asian Ostomy Association | IOAの地域オストミー協会のひとつで、15カ国が加盟する。 |
日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会 (JSSCR) |
Japanese Society of Stoma and Continence Rehabilitation | ストーマおよび関連の学問と研究をする外科医、泌尿器科医、看護師(ET/WOC看護認定看護師を含む)とメーカーが協同して設立した日本の学会。 |
日本創傷・オストミー・失禁管理学会 (JWOCM) |
Japanese Society of Wound, Ostomy, and Continence Management | 昭和51年設立の日本ET協会から発展し、より学際的に療養者の生活を支援する看護学的視野にたつ学会として平成21年に設立された。 |