ストーマの基礎知識(手術直後〜数週間のストーマケア)
ストーマの分類
自分がどのタイプのストーマか把握しておきましょう。
造設部位臓器による分類 | コロストミー |
S状結腸ストーマ 上行結腸ストーマ 横行結腸ストーマ 下行結腸ストーマ |
イレオストミー(小腸ストーマ) | ||
ウロストミー |
回腸導管 尿管皮膚瘻(一側、両側) 膀胱瘻・腎瘻 |
|
その他のストーマ | 粘液瘻・食道瘻・胃瘻など |
手術直後から始まるセルフケア
身体回復の状態により、装具の装着方向を変えていきます。
看護師さんに相談しながら、自分でできるところから始めましょう。
看護師さんに相談しながら、自分でできるところから始めましょう。
手術直後
看護師さんに全て介助してもらう時
手術後数日間
起きている時間が増え、看護師さんに一部介助してもらう時
手術後数日以降
自分でトイレに行き排泄物の処理ができるようになった時
ストーマサイズの計測
手術後しばらくは、ストーマに強い浮腫(むくみ)があり、数週間かけて少しずつ引いていきます。そのため、手術直後は装具交換の度にストーマのサイズを計測し、適切な大きさに装具をカットして使用します。
看護師さんは、ノギスという道具を使うことが多いですが、自分で測る時は、ストーマ装具の箱に入っているゲージを利用すると良いでしょう。
ストーマゲージ
看護師さんは、ノギスという道具を使うことが多いですが、自分で測る時は、ストーマ装具の箱に入っているゲージを利用すると良いでしょう。
ストーマゲージ
面板皮膚保護材のカット
<手術直後>
-
コロストミー(カラヤ系皮膚保護材を使う場合)
面板皮膚保護材をストーマサイズよりも8〜10mm(4〜5mmのすき間)大きくカットし、すき間にパウダーを充填します。 -
コロストミー・イレオストミー・尿路系ストーマ(合成系皮膚保護材を使う場合)
面板皮膚保護材をストーマサイズよりも2〜3mm(1〜2mmのすき間)大きくカットします。
-
コロストミー
ストーマサイズよりも2〜3mm(1〜2mmのすき間)大きくカットします。 -
イレオストミー・泌尿器系ストーマ(回腸導管)
ストーマサイズとほぼ同じ径にカットします。
装具装着の工夫
マッシュルーム型ストーマの場合、ストーマ最大部に合わせて装具をカットすると、すき間が大きくなってしまい、そこに排泄物が付着して皮膚障害を起こす原因となります。
そこで、下記のような工夫を行います。
そこで、下記のような工夫を行います。
面板皮膚保護材に放射状の切込みを入れて使用します。
面板保護材の切片を利用して、ストーマの根元部分を先に保護し、その上から装具を装着します。
装具の交換頻度
- 排泄物の性状、皮膚保護材の溶解の程度によって決定します。
- 自分の生活習慣や好みに合わせて装具を選び、適切な間隔で交換しましょう。
- 装具によって耐久性に差がありますので、ストーマ外来にて担当看護師によく相談しましょう。
装具交換の目安
- 漏れる前に交換するのが大原則です。
- 交換日に面板皮膚保護材を皮膚から剥がしたとき、粘着面の皮膚保護材の溶け具合を観察します。
- 皮膚保護材が溶解し、バッキングフィルムの露出が5〜10mmを越えないうちに交換しましょう。
尿路系ストーマの装具交換時の注意点
装具交換の前には石鹸と流水で手を洗い、清潔にしてから行いましょう。
操作中に誤って抜去したり、損傷しないよう注意しましょう。
カテーテルが入っている場合
逆行性感染予防のため、必ず逆流防止弁より上に収めましょう。操作中に誤って抜去したり、損傷しないよう注意しましょう。
ストーマ周囲皮膚の呼び方
スキンケアの原則
- 剥がすときの注意
- 装具を剥がすときは、ゆっくり愛護的に剥がしましょう
- 装具を引っ張らず、皮膚を押すようにして粘着面から離します
- 剥がしにくい時は、剥離剤を使いましょう
- 皮膚の清潔を保つ
- 皮膚保護剤でべたつく時は剥離剤を使ってあまりこすらずに除去しましょう
- 装具交換毎に、石鹸と微温湯で皮膚を清拭しましょう
- 石鹸は、皮膚に合ったものをよく泡立てて使いましょう
- 石鹸分を皮膚に残さないよう、洗い流すか拭き取りをしましょう
- 清拭後は、乾いたタオルで水分を拭き取ります
- 皮膚のようすを観察する
- 赤みは、10〜15分後に色が薄くなれば問題はないでしょう
- 消えない赤み、痛み、かゆみがあれば、ストーマ外来で相談しましょう